巨大な石風呂プロジェクト【その3】原石の4方向を吟味して方向を決める
まずは原石の4方向を吟味して、どの部分をどっちに向けるかの検討が始まります。
この段階では、図面は外寸の参考程度でしかありません。
実際に石を割ってみないと、その雰囲気や内部の状態は分からないからです。

石を割ることによって初めて見えてくる特性や表情があり、それをどのように活かすかが重要です。
原石の四方向を画像で確認しながら、最適な向きを探ります。



特に天面の矢跡や側面の「ボタ」は、石風呂のデザインにとって重要な要素です。
これらの特徴を残しつつ、自然な反りを最大限に活かすための配置を考えます。
石の自然な形状や模様を活かすことが、石風呂の美しさを決定する鍵となるのです。

いろいろな方向からチェックを行い、それでも判断が難しい場合は、必殺の原寸型紙チェックを行います。

原寸型紙を使って、石の異なる方向に当ててみることで、最終的な形状や配置を視覚的に確認します。この方法によって、石をどの方向に使うのが最適かを具体的に見極めることができます。
原寸型紙をいろんな方向に当ててみると、その大きさや形状がより具体的に分かります。


「なるほど、かなり大きいのね。」 せっかくの大きさを全部活かしたいという気持ちが湧いてきますが、全体のバランスやデザインを考慮して、最適な方向を決定します。方向が決まったら、その方向に従って大割りの指示を出します。
次回「巨大な石風呂プロジェクト【その4】石風呂はまずは大きく割って形を作る。余分な石を大きく削ぐ作業。」に続く
