巨大石風呂プロジェクト【その6】いよいよ大詰め!外形の調整

旅館、お宿、別荘、ゲストハウスに最高な石風呂製作工程ですが、いよいよ大詰めです。

残る作業としてしては、内部の床の滑り止め作業、お肌の当たる部分の仕上げの作業、排水穴の加工、そして今回は循環穴の加工です。

そして最も大事なことが総重量をコントロールすること。

現地での設置を考えて、使える機械の吊り能力も考慮します。

今回は総重量4トン以下が必須です。

石風呂全体の雰囲気を維持しつつ、削れるところを削るシビアな作業でもあります。

石風呂
左側に見えるのが原石を割ったときの「矢跡」今回はこれも意匠として残す。
石風呂
全体の形状を何度も修正して、最終の形を検討中。石は割ったら最後、元に戻らない。緊張する作業。
石風呂
手前に見えるのが石用の「のみ」。これで石をコツコツ仕上げると独特の風合いが出る。
石風呂
内側の小さなぶつぶつが「のみ」で叩いた跡。あの一粒一粒が全て手作業

石風呂のあらゆる箇所の寸法をミリ単位で計測して、平面図と見比べ、現場を想像して削る箇所を考えます。

そして石風呂の外部を削っている間に内部の仕上げを同時進行させています。

常時2~3人の石職人が付きっきりで作業しながら、もう一人通訳を兼ねた弊社の検品員の4人がチームとなって作業し画像をリアルタイムで送ってきます。

1つの石風呂を完成させるのに少なくとも300枚以上の画像と大量の動画であらゆる角度を確認していきます。

このように日本の事務所と中国工場とで意思の疎通を行い、魅力的な石風呂が完成されていきます。

石の加工という大昔からの仕事にネットの力を最大限活用したシステムの採用している会社はごく僅かですが、海外の作業員さんとの「思い違い」をなくすには最適な方法です。

とくに石風呂のように図面があるようでなく、寸法よりも感性が優先されるような製品の場合、言葉は全く無力です。

海外の石工さんとの文化の違い、常識の違いを超えての製品作りには毎回苦労します。

石風呂
「のみ」での作業中。かがんで、ひたすら叩く。
石風呂
石風呂の削り出し作業中
内部仕上げと同時に外部の削り出し
石風呂
実際に送った指示書の1枚
石風呂
何度も何度も確認して進める。
石風呂

このように隅々まで目を行き届かせて、思い違いなく石風呂が完成されていきます。

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